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思考とコミュニケーション。客観と主観的客観の違いを自覚する。

知性や思考、コミュニケーション能力などの基盤が形成されるのは、7〜14歳の期間に発達する資質と深く関係しています。 

主観と客観の両方を意識し始めるのもこの時期です。  

主観だけに偏ると、コミュニケーションする相手への想像力が不足します。  

片や客観だけに偏ると、自分がどうしたいのか、何を求めているのか、軸がブレやすくなったり、相手のペースに合わせすぎてしまいがちになります。 

これらの状況は、日常生活において意識する機会が多くあると思いますが、さらに一歩踏み込んで考える必要があります。 

◆「客観」と「主観的客観」の違い  

主観と客観のバランスの重要性を理解はしつつも、軸がブレたり客観視できていないことに多くの人が気づかないのは、似て非なるものである「客観」と「主観的客観」の違いについて理解ができていないためです。 自分を客観視するには、主観の外へと完全に出ることが重要で、「自己の内面」と「視点や観察眼」を切り離す必要があります。 

客観視には、自分の思いや期待、経験値や知識とは切り離された状態で観察する目が必要です。  

・客観的に自分を見る 

・客観的に相手を見る 

・客観的に周囲や全体を見る 

・客観的にプロセスや時代の流れを見る 

・客観的に未来を思い描く 

これらは「主観のフィルター」を外さない限りけっして客観とはいえず、客観視しているつもりになっている「自分の内面世界から出ていない」主観です。   

◆周囲から思わぬ反応が返ってくる  

例えば「自分としてはこうしたい!」という熱意や思いがあったとして(主観)、それをどのように実現するかという方法や手法を思考するプロセスは、別のレイヤーでの作業になります。 

アイデアや意志は主観に結びつきますが、それを実行するための方法は客観的な作業になります。 

 周囲のことを考えて行動しているつもりが、想像もしていなかったような反応が周囲から返ってきたり、相手が突然感情的になったりする場合のほとんどが客観視ができておらず、「主観フィルター」の中から相手のことを考えています。

いくら客観視しても他者のすべてを理解することはできませんが、相手の真意をある程度感じとることができます。 

しかし主観的客観で見ていることにも気づかずに相手のことを考えているつもりになっている場合は、相手の真意とは全くかけ離れた、自分の主観が生み出した妄想とコミュニケーションしています。 

つまり「主観的客観」とは、想像の世界の中で繰り広げられる、事実とは全く無関係の空想の人物像でありストーリーなのです。 

◆「主観的客観」から出ていない場合の特徴  

「主観的客観」で物事を見ているとき、ほとんどの場合において自覚症状がありません。  

周囲の反応によって気づかされることが多く、想定外の反応に驚き、何が問題になっているのかを理解できなかったりします。 まずは自分が思っている「客観視」が、「主観的客観」になっていないかを確認してみましょう。 

〈主観的客観になっている場合の特徴〉

□周囲から思わぬ反応を受け取る。周囲の人が急に感情的になったように感じる。

□ロジックが破綻している。もしくは破綻していることに気づいていない。 

□目的と手法がズレていたり、表したい内容と表現方法がズレていることに気づけない。 

□問題が起きていることに気づくのが遅い。もしくは問題が起きてからでないと気づけない。  

□自己評価と他者からの評価にズレが生じている。もしくは生じていることに気づけない。 

◆主観と客観、目的とプロセスや手法との関係性 

主観は四元素に分類すると火。 

情熱や勢い、ヴィジョンをもって前進する、目的に向かって突き進む、自己表現に熱中する、生命力、原点、出発点などと関係しています。  

これらは創造的人生にとって必要不可欠な要素ですが、具体的なプロセスに入るにしたがって客観と関連する風の要素が必要になります。

客観は四元素に分類すると風。 

思考、情報、分析、理論、理解力、知性、知識、コミュニケーション能力、バランス感覚などに関係しています。 主観だけが強調されていたり、客観視しているつもりが主観的客観で物事を捉えているような場合は、気づかぬうちにロジックが破綻しています。 

取り組んでいる内容に矛盾が生じていること、目的と手法がズレていることに気づけません。 

十分に思考したつもりになっていたり、相手のことを考えてコミュニケーションしているつもりになっていたり、客観視しているつもりが主観から一歩も出ていなかったりします。 

◆目的が目標にすりかわる。実行するために手段を選ばない。

主観的客観に偏っていると、内面的な目的がいつの間にか具体的な目標に置き換えられ、その目標に向けて進むこと自体が目的化し、元来の目的が消えてしまいます。 

原点の情熱や思いからズレていても、目標を実現するためであればと突き進むようになり、目的と手法が相反するものであることを自覚できなくなってしまいます。  

主観的客観は主観そのものを歪めてしまい、本人の軸がブレるだけでなく、本来あるべき正しい客観性の明晰でバランスのとれた思考を混乱させるようになります。  

主観的客観は、客観はおろか主観ともかけ離れた「自意識の暴走」であることを自覚しない限り、自他ともにダメージを与えることになります。 

また、ダメージを与えていることに気づかず走りつづけた結果、大きな問題に直面してはじめて気づくことになります。 

◆コミュニケーションは主観と客観の本来のバランスを取り戻すこと 

 主観的客観の原因は自意識(自我)にあります。 自己イメージ、自己評価、アイデンティティの防衛など、周囲から認められることや理解される自分であるためにつくりあげた自意識からうまれています。 

自意識をとおして他者のことを考えたり、社会でのあり方や関わり方を考えても、主観の中から出ずに想像の世界に生きている状態といえます。 

まずはそのことをしっかりと自覚する必要があります。

 また、私たちが「主観」と思っているものが本当の主観なのか、自意識からくるものかを見分けることも重要です。 「私はこう思う」「私はこうしたい」の「私」は本質的なものなのか、「自意識=私」と自覚しているのではないか。  

自意識ではない本当の「私」としての主観が取り戻されると、おのずと真の客観ができるようになります。  

◆自分で考える、思考する=「真の客観」 

「よく考えたけどわからない」「考えすぎると混乱する」という場合、自意識から想像しているだけで、実はまだ一度も本当の意味で自分で思考したことがないのかもしれません。 

「自分は考えるのが得意だ」と感じる人でも、先ほど挙げた「主観的客観になっている場合の特徴」に1つでも当てはまるのであれば、自意識の妄想と思考の区別がついていないといえます。

 欠乏感や自己否定、承認欲求、社会的評価への依存があるうちは、私たちは思考できていません。

 思考、知性、コミュニケーションは自意識から自由になるためのものであって、自意識を守るものではありません。 

◆コミュニケーションの見直し 

主観的客観を自覚したり、自意識からくる考えや行動を見直すことが、コミュニケーションのあり方を根本から変えることにつながります。  

知性や思考、コミュニケーション能力の基盤が形成される7〜14歳の期間に発達する思考の基盤を、いま一度意識的に構築し直すことが重要になります。 

無意識にとっている普段の思考や行動を見直すことで、自意識にコントロールされてしまった思考回路を修正することができます。  

自意識が思考をリードし始めると、物事を見抜く力や現状を解釈したり分析する力が奪われ、明らかに矛盾していることへの違和感やズレにも気づけなくなってしまいます。  

本質的な思考のあり方やコミュニケーションとは何かというテーマを、自分を客観的に観察しながら掘り下げることをおすすめします。 

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