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美術館を10倍楽しむための4つのポイント

美術館へ行ったとき、鑑賞の仕方がいまいちわからないという方は少なくないと思います。

鑑賞スタイルに決まりなどなく自分なりに楽しめばいいことはわかっていても、いざ行ってみると、どこをどう観たらよいのかわからずにさらっと見終わってしまうという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、アート鑑賞を楽しむための4つのポイントを紹介したいと思います。

 

アートは感性と思考の両方で楽しむもの

まずはじめに、アートの楽しみ方がわからないというひとの傾向として、「アート=感性」という限定的なイメージや先入観があります。

アーティストの多くは、表現方法にこそ感性を重視してはいますが、表現に着手する前段階で自分の感じていることをロジカルに分析し、熟慮を重ねています。(もちろん例外もありますが)

表現の背景には、アーティスト自身の哲学があります。

「哲学=フィロソフィ」の語源は、ギリシア語のフィロソフィアphilosophiaに由来します。

知(ソフィアsophia)を愛する(フィレインphilein)という意味です。

自分が大切にしていること、美しいと感じるもの、伝えたいこと、表現したいものなどにたいして、とことん思考を深めたうえでアート作品に落とし込んでいます。

アーティストの考えが確固たる意志とともに表現されているというところが、アートの面白くて奥深いところです。

想像力をはたらかせ、アーティストの思考の変化や葛藤、人間のありようを思いめぐらせながら鑑賞することで、新たな視点や観点に興味をもつきっかけになります。

アート鑑賞はインタラクティブに

美術館で鑑賞する際、何となく展示順に進み眺めて行くことが多いと思います。

そうした受動的な鑑賞から、ときには能動性と目的をもって対話するように観ると多くの発見があります。

「インタラクティブに」とは、アート作品を通じて「自分ならどう考えるか」という思考を巡らせることで、作品との対話、アーティストの投げかけたメッセージとの対話を大事にすることを意味します。

多くのアーティストは作品を通じて、何らかの「問い」を立てています。

社会に対する問題提起もあれば、鑑賞者のなかに生まれる反応の重要性を問うもの、アーティスト自身の内面を色濃く映し出すもの(他者からは見えないものを表現する)などさまざまです。

生涯をかけて情熱的に表現したその問いに対し、自分ならどう答えるのか。(考え、行動するのか)

さらには、自分ならどんな問いをもつのか、その問いをどう表現するのだろかというところまで考えてみるのも良いかもしれません。

鑑賞者がつぎなる表現者(アートにかぎらず)になるようなコミュニケーションこそ、アート鑑賞の醍醐味なのだと思います。

アーティストについて知る

アーティスト自身について予備知識があると、より想像力がはたらき考察力が深まります。

アーティストの活躍した時代背景や影響を受けたもの、興味の対象や葛藤、考え方や人格形成の背景にある体験などを検索してから美術館に行くと、より一層作品にあらわれている目的意識が理解できるようになります。

有名なアーティストであればすぐに検索で出てきますし、ウェブ上で展示情報なども紹介されています。

書籍などを出版しているアーティストであれば、読んでから行くのもオススメです。

同時期に活躍したアーティストについて調べてみるのも、これから観るアーティストの立ち位置や個性が際立って理解できるようになります。

表現スタイルと思想の共通点を探る

アーティストの思想と表現スタイルには何らかの共通点があります。

現代アートになるほど、色や形だけでなく、どんな材質を使うのか、どんな規模でつくるのか、どんなシステムを組み込むのか、なにと結びつけるのかなど、アーティストの思想が手法そのものに息づいています。

コンセプトと表現スタイルの合致、意表をつく解釈や転換、それらを如何に表現するかが注目されるようになっています。

スキルの飽和、深められたコンセプト(哲学性)の不足、スタイルの多様化など、現代の傾向がアート作品にもあらわれています。

アートの概念は日々アップデートされつづけていますが、時代を越えても変わらない価値というのもあります。

それは希少性です。

スキルが飽和している現代では、希少性の出どころはアーティストの哲学性や生きかたのストーリーにあります。

コンセプトや哲学性というものが、表現スタイルの共通点や独自の変換スタイルにどのようにあらわされているかなどに目を向けてみることで多くの発見があります。

これらはアートの楽しみかたのほんの一例であり、ひとつの側面にすぎません。

自分なりの楽しみかたを大切にしながらすこしだけ意識してみると、普段とはまた違ったものが見えてくるのではないかと思います。

アート鑑賞にかぎらず、普段から自分の感じていることについて分析したり、考える習慣をもつことが大事だと思います。なにげなく目にしていたものも解像度が増し、物や人、空間や場所など、あらゆるものの背景にあるコンセプトや思考プロセスが理解できるようになります。

人に優しく生きるために想像力は必要不可欠ですが、想像力を鍛えるには相手の背景を理解することができるよう、自分の哲学を磨くことが大事です。

アートを通じて自己対話を深め、楽しんで思考を磨くきっかけになればうれしいです。

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